【3月2日 AFP】英議会上院は1日、欧州連合(EU)からの離脱をEUに通知する権限をテリーザ・メイ(Theresa May)首相に与える法案について、英国内に在住するEU加盟国国籍者の権利を保障する規定を盛り込む必要があるとして、一部修正することを賛成多数で可決した。法案はいったん下院に差し戻され、成立は遅れることになった。

 法案は先月8日に下院を通過した後、上院で審議が行われていた。修正案は賛成358、反対256で可決され、今月末までの離脱手続き開始を表明しているメイ政権にとって大きな痛手となった。

 修正案は、英在住のEU加盟国国籍者300万人余りの権利をEU離脱後も保障することを政府に義務付ける内容。

 今回の採決を前にメイ首相は議員らに対し、EU基本条約(リスボン条約、Lisbon Treaty)第50条を発動して期限2年の離脱交渉を始める日程に変更はないと改めて強調している。(c)AFP/Alice RITCHIE