【2月27日 AFP】(更新)米ハリウッド(Hollywood)の「ドルビー・シアター(Dolby Theatre)」で26日に開催された第89回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式では、黒人少年の成長を描いた『ムーンライト(Moonlight)』が作品賞に輝いた。ただ、同作受賞の直前にはミュージカル映画『ラ・ラ・ランド(La La Land)』が誤って作品賞受賞と発表される前代未聞のトラブルがあった。

 作品賞の発表では当初、プレゼンターを務めた女優フェイ・ダナウェイ(Faye Dunaway)と俳優のウォーレン・ベイティ(Warren Beatty)が『ラ・ラ・ランド』の受賞をアナウンスし、ステージに上がったプロデューサーらに賞が手渡された。しかし、その後の訂正で『ムーンライト(Moonlight)』の受賞が改めて発表された。

『ラ・ラ・ランド』の関係者らはすでにステージに上がり、受賞スピーチに臨んでいたが、そこで間違いが判明。ベイティはばつの悪そうな表情で、謝罪の言葉を口ごもった。

 アカデミー賞の票集計と結果管理を行うコンサルティング会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)はその後の声明で、「プレゼンターに誤った封筒が渡された」と説明。詳しい経緯は調査中だと述べ、謝罪した。

『ムーンライト』は、米フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)の貧困地区で自分の居場所を模索する若いアフリカ系米国人の姿を描いた作品。監督・キャストが全員黒人の作品としては初の作品賞受賞という快挙を達成した。

 一方の『ラ・ラ・ランド』は作品賞こそ逃したが、監督賞、主演女優賞、作曲賞など計6部門での受賞となった。以下は今年の主要部門の結果。


<作品賞>
『ムーンライト』

<主演男優賞>
ケイシー・アフレック(Casey Affleck) 『マンチェスター・バイ・ザ・シー(Manchester by the Sea)』

<主演女優賞>
エマ・ストーン(Emma Stone)『ラ・ラ・ランド』

<助演男優賞>
マハーシャラ・アリ(Mahershala Ali) 『ムーンライト』

<助演女優賞>
ヴィオラ・デイヴィス(Viola Davis) 『Fences(原題)』

<監督賞>
デミアン・チャゼル(Damien Chazelle) 『ラ・ラ・ランド』

<脚本賞>
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

<脚色賞>
『ムーンライト』

<外国語映画賞>
『セールスマン(The Salesman)』

<撮影賞>
ライナス・サンドグレン(Linus Sandgren) 『ラ・ラ・ランド』

<作曲賞>
ジャスティン・ハーウィッツ(Justin Hurwitz) 『ラ・ラ・ランド』

<ドキュメンタリー長編賞>
O.J.: Made in America(原題)』

<ドキュメンタリー短編賞>
『ホワイト・ヘルメット-シリアの民間防衛隊(The White Helmets)』

<長編アニメ賞>
『ズートピア(Zootopia)』

(c)AFP