【2月27日 AFP】米女優のメリル・ストリープ(Meryl Streep)さんが第89回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式に着用する予定だったドレスをめぐるいざこざから、大御所デザイナー、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏に謝罪を求めている。米ファッション業界紙WWDが26日に報じた。

 ストリープさんは授賞式の前夜、「シャネル(CHANEL)」の筆頭デザイナー兼クリエーティブディレクターのラガーフェルド氏を糾弾する声明を発表。WWDの先週の報道によれば、これより前にラガーフェルド氏は、ストリープさんが別のブランドから授賞式で同ブランドのドレスを着用すればお金を払うと打診され、シャネルに注文していたドレスをキャンセルして約束をほごにしたと非難していた。

 その後、シャネルとラガーフェルド氏は非難を撤回。WWDは、ラガーフェルド氏の代理人から、今回の出来事はすべて残念な誤解だったとする同氏の声明を受け取ったと報じていた。

 同声明は、「シャネルはストリープさんの要求に基づいて、アカデミー賞授賞式で着用するドレスのデザインについて彼女のスタイリストと話をした」「私的な会話の後、私はストリープさんが報酬と引き換えに別のデザイナーのドレスを選んだのかもしれないと誤解したが、ストリープさんのスタイリストチームは事実無根だと主張している」と述べ、「私は今回の騒動を後悔し、アカデミー賞で20回目のノミネートを受けたストリープさんの健闘を祈っている」と続けている。

 一方のストリープさんは、ラガーフェルド氏による最初の主張を糾弾する声明を発表。さらに怒りの矛先は、同氏の主張を最初に報じたWWDにも向けられている。

「著名なデザイナーであるカール・ラガーフェルド氏は、私と私のスタイリスト、そして私が選んだドレスをデザインした有名デザイナーのことも有力な業界紙で中傷しました」と、WWDに掲載されたストリープさんの声明は述べている。

「あの業界紙が裏を取らないまま中傷を報じたことで、あの話が世界中に拡散され続け、私が20回という最多ノミネートを受けた今回のアカデミー賞授賞式に出席することよりも注目を集め、メディアや私の同業者、視聴者の目には、この栄誉よりも大きな話題として映っています」

「私は今回の問題を軽く受け止めてはいません。今回の『騒動』を後悔しているというラガーフェルド氏による月並みな『声明』は謝罪ではありませんでした。彼はうそをつき、彼らはそのうそを報じました。私はまだ(正式な謝罪を)待っています」とストリープさんは述べている。(c)AFP