【2月24日 AFP】マルハナバチは、甘いご褒美を与えて促すことで、ボールを転がしてゴールに入れるよう訓練できるとの研究結果が23日、発表された。昆虫が予想外に複雑な学習能力を持つことを示す結果だという。

 米科学誌サイエンス(Science)に発表された研究結果は、ハナバチが、通常行っている花粉の採集作業とは直接関係のない技能を習得可能であることを示す初の証拠を提供している。

 研究によると、他のハチの行動を観察することで、マルハナバチの学習効率は最も高まるようにみられ、また時には、他のハチが先に実施した行動を改良するケースもあったという。

 目標を達成することによって複雑な問題の解決方法を学習する能力については、これまで、ヒト、霊長類、海洋哺乳類、鳥類などが持ち得る能力として知られていた。だが、昆虫は必ずしもこのエリート集団に属するとみなされているわけではかった。

 論文の共同執筆者で、英ロンドン大学クイーンメアリー校化学・生物科学科(School of Biological and Chemical Sciences at Queen Mary University of London)のLars Chittka教授は、「昆虫は脳が小さいことで制約を受け、行動に関しての限られた柔軟性と単純な学習能力しか持ち得ないとする考え方は、今回の研究によって終止符が打たれる」と述べた。

 過去の研究では、ご褒美の餌を得るために糸を引き寄せるなど、ハチが簡単な技を学習できることが示されていた。ただ、これらの研究については、関連する学習プロセスが、自然界でハチが遭遇する作業課題において、実際に使用されることも想定できるため、その対象範囲は限定されていると論文は指摘する。