【2月23日 AFP】太陽系と同じく天の川銀河(銀河系、Milky Way)内にある小型の恒星「トラピスト1(Trappist-1)」を公転している地球に似た惑星を7個発見したとの論文が22日に発表されたが、これは、過去20年にわたる一連の系外惑星の発見において最新の、そしてほぼ間違いなく最も目を見張るような成果となった。

 太陽系の外縁を越えた探査をめぐるこれまでの軌跡をたどってみたい。

 まず系外惑星について。これは単純に、太陽系の外にあるすべての惑星のことだ。最初の発見は1995年にさかのぼるが、ここ数年で発見数が爆発的に増加した。最近の統計的研究では、銀河系内だけで1兆個の系外惑星が存在すると推定されている。

 米航空宇宙局(NASA)によると、現時点で3449個の系外惑星が見つかっているという。

 その内訳は、巨大氷惑星と呼ばれるものが1264個、ガス状巨大惑星が1043個、地球と同じ岩石惑星だがその質量が数倍に上る「スーパーアース(巨大地球型惑星)」が781個となっている。

 これよりも小型で、地球に近い質量を持つ地球型惑星は、22日の発表前の時点で348個しか見つかっていなかった。さらに(既知の形態の)生命の存在に不可欠な要素である、液体の水が存在可能と考えられる温暖な領域内にあるのは、このうちのほんの一握りだ。

■生命の維持に必要な条件とは

 それは「生命」が意味するところによって変わってくる。

 現在知られている形態の生命に関しては、液体の水が必須要素となる。温暖な領域であるかは中心星との関係で決まる。水が蒸発するほど高温でなく、かちかちに凍るほど低温でもない領域だ。

 また、地球上の生命は、生存に不可欠な酸素を含む大気の存在なしでは考えられない。大気は、中心星から放射される紫外線やX線などの高エネルギー放射線による損傷から生物を守っている。

 われわれは、この地球上にどのようにして生命が出現したのかすら理解できていない。そう考えると、地球上の生命にとっては致命的な条件下で生存、繁栄できる生き物がこの宇宙のどこかに存在していたとしても、何らおかしいことではないだろう。(c)AFP/Marlowe HOOD