【2月18日 AFP】男子テニスの元オーストラリア代表監督パット・ラフター(Pat Rafter)氏が17日、同国テニス協会(Tennis Australia)のパフォーマンス・ディレクターを辞任し、母国の二大スターで問題児でもあるニック・キリオス(Nick Kyrgios)、バーナード・トミック(Bernard Tomic)との対立関係に終止符を打った。

 ラフター氏が2年間務めてきた役割は、国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)で豪代表の暫定監督を務めていたワリー・マズア(Wally Masur)氏に引き継ぐことになった。マズア氏は今後、ラフター氏の下で悪化していたトミック一家との関係を修復していく責務を背負うことになる。

 今月行われたデビス杯のチェコ戦で、トミックはスケジュールの問題を理由に欠場している。報道によれば、トミックとその妹に対する資金援助をめぐり、同協会と父親が大きな確執を抱えているとされている。

 トミックと険悪な関係に陥り、2015年にデビス杯の監督を辞任したラフター氏に対しては、キリオスも過去にツイッター(Twitter)で「またラフターの口からネガティブなコメントが出された。この男は『全員が鋭意努力しているところだ』と言うのをやめないのか」と批判していた。

 元世界ランク1位で全米オープンテニス(US Open Tennis Championships)で2度の優勝を誇るラフター氏は先月、トミックとキリオスの指導に消極的だったことを認め、「彼らとはあまり話をしていないし、彼らがどこにいるかも知らない。ただ座って遠くから見守っていくだけで、彼らに対してはあまり口を出さないことにしている。彼らが私と話したいのであれば、喜んで応じる」と語っていた。

 キリオスとトミックは、たびたび男子プロテニス協会(ATP)の規則に違反したり、観客と騒動を起こしたりしている。

 21歳のキリオスは、先月行われた全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2017)のアンドレアス・セッピ(Andreas Seppi、イタリア)との2回戦で、2セットを先取しながらも逆転負けを喫すると、暴言を吐いたり、ラケットを投げつけたりするなどかんしゃくを起こし、罰金処分を科された。

 24歳のトミックもまた、昨年のマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2016)でファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini、イタリア)にマッチポイントを握られると、ラケットを上下逆に持ってリターンに臨むなど問題行動が続いている。(c)AFP