【2月16日 AFP】スリランカのチャンドリカ・クマラトゥンガ(Chandrika Kumaratunga)元大統領は15日、同国で長く続いた多数派のシンハラ人と少数派のタミル人との間の内戦を生き延びたタミル人女性たちが、軍隊のみならずタミル人の役人らからも性的に搾取されていることを明らかにした。

 シンハラ人とタミル人の和解を進める「国民統合・和解事務局(Office For National Unity And Reconciliation)」の代表を務めるクマラトゥンガ氏によると、2009年5月に終結するまで37年にわたって続いた内戦で夫を亡くした女性らが、役人らによる性的搾取の被害者となっているという。役人たちは行政的な手続きを進める際に、頻繁に性的な関係を持つよう強要するとされる。

 クマラトゥンガ氏は同国の外国特派員協会での会見で、「今でも役人らによる性的虐待が多数存在し、タミル人の役人すらも、さらには村落部の下級の役人すらも行っている」と述べた。また「彼らは書類に署名するためにさえ、女性に虐待を加えており、当然ながら軍関係者も性的虐待に手を染め続けている」と語った。

 内戦が激化していた大統領の任期中、反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」による自爆攻撃で片目を失ったクマラトゥンガ氏は、「女性たちが生計を保てるようになれば、彼女たちは強くなり、より安全を感じることができ、搾取されることもなくなる」と述べ、女性たちが弱みにつけ込まれないようにするには、彼女たちの生活環境を改善することが一番であると訴えた。

 内戦後の余波として、多くの女性たち、とりわけ夫を失った女性たちが、政府からの給付金や援助を受ける際に必要な身分証明書や出生証明書を入手するのに苦心しているとされる。(c)AFP