【2月16日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中の旧日本軍による残虐行為を否定したことで批判の的となっているビジネスホテル大手アパグループ(APA Group)の元谷外志雄(Toshio Motoya)代表が、今度は反ユダヤ的とされる発言をして物議を醸している。

 元谷代表は、1937年の「南京大虐殺」を否定する自著を同社ホテルの数百室に置いたことで、中国から猛反発を受けている。アパグループは北米でホテル40軒を経営しており、問題の発言はカナダの滞在客向け室内誌の2月号に掲載された。

 カナダのニュースサイト、ナショナル・オブザーバー(National Observer)と英字紙ジャパンタイムズ(Japan Times)によると、元谷氏表は誌面で「ユダヤ人はアメリカの情報、金融、法律を支配している他、税金を一切払わなくてもいいように膨大な利益を租税回避地に移し、グローバリゼーションから多大な利益を得ている」と述べていた。

 グレーターバンクーバー・ユダヤ人連盟(Jewish Federation of Greater Vancouver)から抗議を受けた元谷氏は、自分は反ユダヤ主義者ではないと弁明。同連盟のウェブサイトで公開された声明で、「私の執筆物により、私が反ユダヤ的信条の持ち主だという誤った印象を皆さんに与えたことは、極めて遺憾です」と述べている。

 一方、AFPの取材に書面で応じたアパグループは、元谷氏の声明は謝罪ではなく、同氏が反ユダヤ主義者であるとの誤解を解くことが目的だったと説明している。室内誌2月号の電子版は文言が修正され、印刷版は3月号と置き換えられた。元谷氏は問題の文章の一部を修正し、誤解を招くような文を削除したという。(c)AFP