【2月8日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は7日、ドメスティックバイオレンス(DV)に対する罰則を軽減する法改正案に署名し、正式に法制化した。反対派は、改正案がDVの加害者に責任を取らせることを一層困難にするものだとして非難していた。

 下院議会で賛成多数により可決されていた今回の改正案は、家族に対する暴力について、初犯かつ大けがをさせていない場合に限り、罰則を罰金刑に変更するというもの。これまでの法律では暴行罪に問われ、最長で2年の禁錮刑が科される可能性があった。

 改正案を支持する保守派は、子どものしつけを行う親を罰することは誤っており、また国が家庭生活に口を出すべきではないと主張していた。

 一方で反対派は、法的手段による被害者の救済を一層困難にするものであり、国内にはびこる女性への暴力の問題を悪化させるものと非難。ロシア国内ではまれな抗議運動も行われた。

 国の統計によると、DVに関する犯罪は2015年に4万9579件発生し、うち3万5899件が女性に対する暴力だったという。(c)AFP