【2月8日 AFP】5日に行われた男子テニス、国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2017)でカナダのデニス・シャポバロフ(Denis Shapovalov)の打ち込んだボールを顔面に受けたアルノー・ガバ(Arnaud Gabas)主審は、重傷を免れて幸運だったと語った。

 17歳のシャポバロフは英国のカイル・エドモンド(Kyle Edmund)との対戦中、怒りに任せてボールを放ち、これが思いがけずガバ氏の顔を直撃した。これによりシャポバロフは失格となり、英国の勝ち抜けが決まった。

 ボールを受けた左目が腫れあがり、あざができたため、ガバ氏は予防措置でカナダ・オタワ(Ottawa)の病院に運ばれた。

 重傷とはならなかったものの、ガバ氏はこの事故でよりひどい状態に見舞われていたかもしれないとコメントした。

 ガバ氏は英スカイ・スポーツ(Sky Sports)に対し、「コートを後にするときはまるでロッキー・バルボア(Rocky Balboa、映画「ロッキー〈Rocky〉」シリーズの主人公)のようだった。映像は、目にするにはかなりショッキングなものだった」と語った。

「シーズン中は何度かボールをよけなければならないときもあるが、今回はノーチャンスだった。もっとひどいことにならなくて幸運だったと感じている」

「ここ最近、選手たちは少し怒りがちだ。彼がいら立っているのは見て取れたし、何かをやらかすと思ったが、まさか私にボールを当てるとはね」

 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)のジュニア王者のシャポバロフはその後、自身の振る舞いを謝罪した。

 フランス人のガバ氏は続けて、「謝罪に来たとき、彼は後悔して動揺していた。現時点では、痛み止めを服用しているので大丈夫。帰国したら専門医に診てもらうことになっている」と語った。

 国際テニス連盟(ITF)は6日、ポイントを失った怒りのあまり打ち込んだボールが、意図せずガバ主審に当たったというシャポバロフの主張を受け入れ、最大の1万ドル(約110万円)ではなく、7000ドル(約80万円)の罰金を科している。(c)AFP