【2月7日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)は6日、ロシア陸上競技連盟(ARAF)の資格停止処分を継続すると発表した。これにより、ロシアは今年8月に開催される第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)の出場が絶望的となった。

 IAAFのセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、モナコ近郊のカップダイユ(Cap d'Ail)で行われた理事会において、15か月間の資格停止となっていたロシアの処分解除を見送り、11月まで復帰させないと明言。同会長は、ロシアが「復帰への準備ができていない」とした作業部会の判断を受けて、今回の決定を下した。

 世界反ドーピング機関(WADA)による調査報告書で国家ぐるみのドーピングが横行していた疑惑が指摘され、2015年11月から国際大会への出場を禁じられているロシアは、2016年3月に続いて6月にも処分期間が延長され、陸上選手全員がリオデジャネイロ五輪に参加できなかった。

 ロシアの国際大会への復帰を監督するために設立された作業部会は、同国に対して資格回復までの道のりを示した詳細な計画表を示していた。しかし、先日モスクワ(Moscow)で開かれたARAFおよびパベル・コロプコフ(Pavel Kolobkov)スポーツ相との会合で、作業部会は「いくつかの前向きな進展は認められる」としながらも、「最近、一部のロシア・スポーツ省関係者が好ましくない公のコメントを出した」ことを含めて、「マイナスな状況に陥っていることも指摘される」と述べた。

■「クリーンな選手は失望している」

 その一方でコー会長は、ドーピングに関与していないと認められたクリーンなロシア選手については、個人資格で大会に出場する許可を与えると繰り返しており、今回の理事会で「われわれの優先課題は、クリーンな選手を大会に復帰させることであり、そのプロセスに確信を持たなければならない」と述べた。

「ロシアのクリーンな選手は、母国のシステムにひどく失望している。われわれは、彼らが保護されていること、そしてロシア選手が国際大会に復帰した際には、しっかりとした安全対策によって競技レベルが保たれていることを世界に示す必要がある」

 IAAFの声明によれば、今年に入ってからこれまでに35人のロシア陸上選手が中立な立場での国際大会への出場を申請しているという。ARAFが先週公表した申請者31人の名簿には、世界陸上や五輪の優勝者も含まれていた。(c)AFP