【1月29日 AFP】ドイツ国内の北大西洋条約機構(NATO)基地に派遣されているトルコ軍兵士ら数十人が、帰国すれば拘束や拷問の恐れがあるとして亡命を申請した。独メディアが28日、亡命申請した同軍将校らの話として伝えた。トルコではレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)政権の転覆を狙った昨年7月のクーデター未遂に関与したなどとして約4万3000人が逮捕されている。

 独週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)と公共放送ARDは共同報道で、NATO基地に駐留中のトルコ軍兵士約40人がドイツで亡命申請したと伝えた。そのほとんどは幹部級で、軍幹部の1人はクーデター未遂には全く関与しておらず共感もしていないとしたうえで「トルコに帰国すれば収監される恐れがある。拷問を受けるかもしれない」と語っている。ドイツ内務省と移民・難民局は亡命を申請したトルコ兵らも他の亡命申請者と同様に扱うとしているという。

 欧州連合(EU)にとってトルコは、中東やアフリカからドイツをはじめとするEU諸国に大挙して押し寄せる移民や難民の防波堤として需要な役割を果たす国だが、トルコでのクーデター未遂以降、トルコとドイツの関係は悪化。そうしたなかでアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相のトルコ訪問が来月2日に予定されている。(c)AFP