【1月23日 AFP】内戦が続くイエメンで、政府側部隊が反政府勢力を主要沿岸部から排除するなか、サウジアラビア主導の連合軍による攻撃などで、この24時間で双方の戦闘員少なくとも66人が死亡した。医療および治安筋が22日、明らかにした。

 紅海(Red Sea)とインド洋(Indian Ocean)を結ぶ主要な航路で戦略的に重要なバブ・エル・マンデブ(Bab el-Mandab)海峡付近で、サウジアラビア主導の連合軍による空爆と戦闘があり、イスラム教シーア派(Shiite)系反政府武装勢力「フーシ派(Huthi)」の戦闘員とアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)前大統領を支持する戦闘員合わせて少なくとも52人が死亡した。

 アブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansour Hadi)暫定大統領を支持する政府側部隊は7日に、バブ・エル・マンデブ海峡を見下ろすドゥバブ(Dhubab)地区の奪還を目指して大規模な攻撃を開始していた。

 軍事筋によると、連合軍の戦闘機とアパッチ(Apache)攻撃ヘリコプターが、紅海沿岸の都市モカ(Mokha)に進軍中の政府側部隊を支援し、反政府勢力に猛攻撃を加えている。政府側部隊は22日までにモカから10キロ圏内に達したが、反政府勢力が敷設した地雷の影響で進軍が停滞しているという。

 反政府勢力が掌握する西部の港湾都市ホデイダ(Hodeida)にある軍の病院関係者がAFPに語ったところによると、この病院には反政府側の死者が21日に14人、22日に38人運ばれたという。負傷者も55人収容されたという。

 他方、政府が拠点を置いている南部の港湾都市アデン(Aden)の医療関係者によると、政府側の戦闘員14人が死亡し、22人が負傷した。

 世界保健機関(WHO)によると、イエメンでは連合軍が軍事介入を始めた2015年3月以降、死者が7400人を超えた。国連(UN)の報道官は、死者は民間人だけで1万人に達した恐れがあると述べている。(c)AFP