【1月22日 AFP】米首都ワシントン(Washington D.C.)で21日、前日に就任した強硬派のドナルド・トランプ(Donald Trump)新大統領に抗議する大規模なデモ「女性のワシントン行進(Women's March on Washington)」が行われた。

 同行進は新大統領就任関連の抗議行動としては史上最大規模になるとみられ、女優のスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)さんやマイケル・ムーア(Michael Moore)監督ら著名人も参加する予定。参加人数は当初20万人と予想されていたが、市当局によると、主催者は当日朝に膨大な数の人々が到着したことを受け推定参加者数を50万人に修正した。

 同市内のユニオン駅(Union Station)には満員の電車やバスに乗った参加者が続々と到着。市交通当局によると同日の公共交通機関利用者数は午前11時時点で27万5000人に達し、大統領就任宣誓式が行われた前日の同時刻のほぼ1.5倍となった。

 参加者の大半は女性で、多くが猫の耳をかたどった「プッシーハット」と呼ばれるピンク色のニット帽をかぶっていた。猫を意味する「プッシー」は女性器を指す俗語で、過去に流出した映像の中でトランプ氏が自分は女性の「プッシー」を自由につかめると語っていたことにちなんでいる。

 女性らの間では、体重増加を理由に元ミス・ユニバース(Miss Universe)の女性を侮辱したり、女性への性的暴行疑惑が浮上したりしたトランプ氏に対する反発が広がっている。大統領選では女性票の42%を獲得したトランプ氏だが、一方で同氏に投票しなかった人々は、新政権下で女性の健康や避妊、人工妊娠中絶をめぐる権利が後退することを危惧している。

 前日のトランプ氏就任当日にはワシントンで抗議行動を行ったデモ隊の一部が暴徒化し、200人以上が逮捕される事態に発展した。女性らの行進の目的は平穏な抗議とされるが、当局は新たな暴力行為の発生を警戒している。

 同様のデモ行進は、ニューヨーク(New York)やシアトル(Seattle)など国内約300か所の他、世界各国の都市でも開催される予定。(c)AFP