【1月14日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領は米紙のインタビューで、対ロシア制裁を撤回する可能性や、中国が通貨措置や貿易慣行を改善しない限り「一つの中国」政策を支持しない方針などを示した。

 トランプ氏は13日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)に掲載されたインタビューで、ロシア政府がサイバー攻撃によって米大統領選に影響を与えた疑惑をめぐり、バラク・オバマ(Barack Obama)現政権が先月発動した対ロシア制裁措置について「少なくとも一定期間」は残すとしながらも、イスラム過激派との戦いなど主要な目標でロシア側が米国を支援するならば、自らの政権下ですべての制裁措置を撤回する可能性を示した。

 また1月20日の米大統領就任式後にロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談する用意があると述べた。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」などの過激派勢力との戦いでロシアとの協力の機会をうかがっているトランプ氏は、これまでプーチン氏を称賛しており、同氏の指示の下、ロシアのハッカーが米大統領選を妨害したとする米情報機関の結論についてはしぶしぶ受け入れただけだった。

 中国についてはトランプ氏は、台湾を独立国として認めていない米国の長年の方針に触れた上で、「『一つの中国』政策を含め、すべては交渉次第だ」と述べた。トランプ氏は既に昨年11月、台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統と電話会談し、台湾総統との直接対話を避けるという長年にわたる米国の外交慣例を破り、中国をいら立たせている。

 これについてトランプ氏は同紙に「わが国は昨年20億ドル(約2300億円)分の軍装備品を(台湾に)売却した。20億ドル分もの最新の素晴らしい軍装備品を彼らに売ることができるのに、電話を受けることは許されていない。まず第一に、電話を受けないなんてことは失礼だろう」と述べた。(c)AFP