【1月12日 AFP】中国の再生可能エネルギー事業に対する昨年の海外投資は、前年比60%増で過去最高の320億ドル(3兆7000億円)に達し、クリーンエネルギーの国際市場における同国のリーダーシップを示す形となった。

 米研究機関「エネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA)」が6日発表した報告書によると、中国は2016年、海外の再生可能エネルギー事業計11件の契約をまとめ、今年はいっそうそのペースを加速しそうだ。

 中国政府は5日、2020年までに少なくとも3610億ドル(約41兆9000億円)を再生可能エネルギー関連に投下する方針を発表。同国にとって再生可能エネルギーは、大気汚染などの原因の一つである石炭発電からの移行の鍵だ。国営新華社(Xinhua)通信によると、国家エネルギー局の李仰哲(Li Yangzhe)副局長も「再生可能エネルギーは中国のエネルギー構成推移の柱だ」と述べている。

 昨年の海外投資先は、オーストラリアやチリのリチウム電池メーカーから、ブラジルの配電事業やベトナムの太陽電池工場までと幅広い。また報告によれば、中国は現在、世界の太陽電池モジュール製造企業の上位6社のうち5社を所有している。

 国内では、再生可能エネルギー大国としてすでに米国を抜いている状況だ。ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンス(Bloomberg New Energy Finance)によると、中国は2015年、風力、太陽光、水力を利用した再生可能エネルギーおよび関連事業に、米国の2倍にあたる1000億ドル(約11兆6000億円)以上を投下している。(c)AFP/Marlowe HOOD