【12月29日 AFP】ロシア南西部の黒海(Black Sea)起きた同国軍用機の墜落について調査を進めている当局は29日、墜落の際に爆発は生じなかったものの、機器が正常に機能していなかったと発表した。

 空軍の航空安全部門に所属するセルゲイ・バイネトフ(Sergei Bainetov)氏は、「機内で爆発はなかった、それは確実に言える」としながらも、「テロ行為は必ずしも爆破とは限らない。その見解も排除はしていない」と述べた。

 一方マクシム・ソコロフ(Maxim Sokolov)運輸相は、調査により同機に不具合が発生していたことが立証されたとはいえ、年内に結論を出すつもりはないと述べ、報道陣に対して、いかなる説にも性急に飛び付くべきではないとくぎを刺した。

 ソコロフ氏は共同記者会見で、「機器が正常に機能していなかったことは明らかだ。なぜ墜落したのかは、専門家の分析にかかっている」という見方を示した。

 ソ連時代のTu154型機は25日、シリアに向かう途中、ソチ(Sochi)の空港で燃料補給後に再離陸した直後に墜落。乗客乗員92人が犠牲になり、その中には世界的に有名なロシア軍の公式楽団「アレクサンドロフ・アンサンブル(Alexandrov Ensemble)」の団員も多数含まれていた。(c)AFP