【12月28日 AFP】ロシア東部シベリア(Siberia)のツンドラ(凍土帯)で男らがヒグマをトラックでひき殺す映像がインターネット上で拡散し、地元当局は27日、動物虐待の可能性も視野に調査に乗り出したことを明らかにした。

 男の一人が撮影したとみられる映像には、通常は油田や鉱山の労働者によってオフロードで使用されるトラック2台が、雪の上のヒグマに何度も乗り上げる様子が写っている。

 トラックに乗った男の一人は「やつを押しつぶせ! 押しつぶせ!」とがなり立て、トラックがヒグマをひくと歓声を上げている。トラックを往復させて、起き上がろうとするヒグマを繰り返しひいた揚げ句、男らが「まだ生きているぞ」と言って金属の棒でヒグマを小突く姿も捉えられている。

 この映像は27日に急速に拡散し、国営メディアにも取り上げられた。

 こうしたなか、シベリアの北極(Arctic)圏を含むヤクチア(Yakutia)地方の当局は同日、動物虐待に当たるかどうかを判断するため調査を行うと発表した。

 ロシア内務省の報道官は映像の男らについて「地元(ヤクチア)の住民だという確証がある」と説明。セルゲイ・ドンスコイ(Sergei Donskoi)天然資源環境相はフェイスブック(Facebook)の公式ページで「この悪党どもに最も厳しい罰を求めていく」と述べ、男らの行為は「虐殺」だと非難している。(c)AFP