【12月26日 AFP】台湾当局は26日、演習のため25日に本島南部を通過した中国の空母艦隊について、注意深く監視していると発表した。

 台湾国防部によれば、25日に台湾とフィリピンの間のバシー海峡(Bashi Channel)で、台湾の防空識別圏(ADIZ)の外側約20カイリ(約37キロ)を、中国の空母「遼寧(Liaoning)」と艦船5隻が通過した。艦隊は26日朝、台湾最南端の岬、鵝鑾鼻(ガランビ、Eluanbi)沖を通過した後、南西へ向かって航行を続け、南シナ海(South China Sea)の東沙諸島(Dongsha Islands、別名:プラタス諸島)の南東沖へ到達した。

 台湾国防部では、艦隊について完全な監視を行っているとして国民に平静を呼び掛けた。また台湾のメディアは、監視行動としてF16戦闘機と軍艦が出動したと報じた。出動した機数などは明らかでなく、国防部も説明を拒んだ。

 これに先がけ日本の防衛省は、24日午後に東シナ海(East China Sea)の中央部で、空母1隻と駆逐艦3隻を含む中国の艦隊を確認したと発表していた。

 中国メディアは、太平洋(Pacific)での演習に初めて空母が向かっていると報じている。今回の海上演習は、外交儀礼にそむく形で台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統と米国の次期大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が電話会談を行ったことを受け、米国および台湾との間で緊張が高まっている中国政府が軍事力を示威したものとみられている。(c)AFP