【12月24日 AFP】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は23日、ロシアのドーピング問題を告発したユリア・ステパノワ(Yuliya Stepanova、旧姓:リサノワ〈Rusanova〉)の元コーチに対し、10年間の資格停止処分を下した。

 陸上女子800メートルのステパノワを指導していたウラジーミル・モフネフ(Vladimir Mokhnev)氏について、CASは声明を発表し、「禁止薬物の所持や不正取引、そして管理」などを行い、国際陸上競技連盟(IAAF)の規則に違反したと述べた。

 女子中距離ランナーのアナスタシア・バズディレワ(Anastasiya Bazdyreva、ロシア)もまた、「禁止薬物や違法物質を摂取、または摂取しようとした」として、2015年8月にさかのぼり、2年間の出場停止処分を受けている。

 昨年放送された独公共放送ARDのドキュメンタリー番組でドーピング疑惑が指摘され、世界反ドーピング機関(WADA)から永久追放処分が妥当であるとされていた5人のロシア選手の中には、バズディレワも含まれていた。

 モフネフ氏とバズディレワの問題については、資格停止処分となったロシア陸上競技連盟(ARAF)に代わり、IAAFが今年2月にCASに訴えていた。

 一方、ステパノワは夫のビタリー・ステパノワ(Vitaly Stepanov)氏とともに、ロシアの組織的なドーピングを暴く手助けをしながらも、リオデジャネイロ五輪から排除され、現在は米国で身を潜めている。(c)AFP