【12月16日 AFP】内戦下にあるシリア北部の激戦地アレッポ(Aleppo)で15日、政府軍との合意に基づき、市民と反体制派の戦闘員ら数百人が同市を後にした。何年も戦闘が続いてきた同市はこの合意の下、政府軍によって完全に制圧される見込みだ。

 バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権軍が、アレッポ奪還を目指して新たな攻勢を開始してから1か月。反体制派の同市撤退は、政権側にとって5年以上にわたり続く内戦で最大の勝利となる。

 アサド大統領は、大統領府の公式アカウントからソーシャルメディア上に投稿された動画の中で、アレッポの「解放」は「歴史に残る出来事であり、『祝賀』という言葉以上の価値がある」と言明。さらに、政府軍が実現しつつあるアレッポ奪還は一つの転換点になるとの見方を示した。

 アレッポの反体制派掌握地域からの市民と戦闘員の避難は14日に始まる予定だったが、戦闘の再燃により当初の合意は崩壊。翌15日になって、新たな停戦・撤退合意が発表されていた。

 避難が始まったのは15日午後2時半(日本時間同9時半)ごろ。救急車やバスの一団が、アレッポ南部の政府軍の地区へ入った。

 シリア政府軍の情報筋がAFPに明かしたところによると、負傷者108人を含む951人が避難し、うち大半が市民だったが、反体制派戦闘員も約200人含まれていた。

 国営メディアや現地の医師らの話では、車列は1時間余り後、同市の西へ約5キロの場所にある反体制派の地域に着き、その後第2陣となるバス15台が続いたという。

 国営テレビは、反体制派とその家族少なくとも4000人が同市から避難する見込みだと報じている。(c)AFP