【12月14日 AFP】米カリフォルニア(California)州の大学教授が米大統領選で勝利したドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の選挙運動は「テロ行為だ」などと授業中に発言していたことが明らかになり、非難が殺到して殺害の脅迫まで受けたため、身を隠す事態に発展していることが分かった。

 現地紙オレンジカウンティ・レジスター(Orange County Register)が12日報じたところによると、この教授は同州コスタメサ(Costa Mesa)のオレンジコーストカレッジ(Orange Coast College)で人間の性について教えているオルガ・ペレス・ステーブル・コックス(Olga Perez Stable Cox)氏。

 学生がひそかに撮影していた動画がフェイスブック(Facebook)に投稿されると非難が殺到し殺害の脅迫まで受けたため、コックス氏はカリフォルニア州外に逃げたという。

 コックス氏が加入している労組によると、同氏と大学には1000件以上の非難の電子メールが送りつけられ、コックス氏本人には脅迫電話もあった。

 労組のロブ・シュナイダーマン(president Rob Schneiderman)委員長によると、「共産主義を求めているならキューバに行け。共産主義を米国に持ち込もうとしたらお前の顔に銃弾を撃ち込んでやる」とののしり言葉を交えて記されたメールや、コックス氏を「精神障害者」と呼び、必ず自宅住所を公表してやると脅迫するメールなどがあったという。

 共和党員の学生らによって6日に公開された動画の中でコックス氏はトランプ氏の選挙運動を「テロ行為」になぞらえ、次期政権の閣僚人事やマイク・ペンス(Mike Pence)次期副大統領を批判。学生らに対し「われわれの国は分断されている。われわれは襲撃されている。これはテロ行為だ」などと話していた。

 多くの学生がコックス氏の発言を侮辱的と受け止めた。共和党員の学生は正式に苦情を申し立て、同氏の解雇を求める署名活動を行っている。(c)AFP