【12月7日 AFP】フィリピンの捜査当局は6日、先月、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領から違法薬物の取引に関与していると名指しされていた町長が刑務所の中で射殺された問題で、当時市長は監房内で無防備な状態だったとする調査結果を発表した。銃撃戦の中で射殺されたとする警察当局やドゥテルテ大統領の主張とは矛盾する状況になっている。

 米連邦捜査局(FBI)に相当するフィリピン国家捜査局(NBI)によると、地元警察は先月、監房内にいた無防備な状態の、中部レイテ島(Leyte Island)アルブエラ(Albuera)のローランド・エスピノサ(Rolando Espinosa)町長および同じ監房内にいたラウール・ヤップ(Raul Yap)容疑者を射殺したと述べた。

 NBIは声明で、徹底的な調査を行った結果、複数の目撃者の証言は、警察と町長らの間で銃撃戦があったとする主張に反するもで、実際は、2人は射殺されたと述べている。

 NBIのフェルディナンド・ラビン(Ferdinand Lavin)氏は、町長らを射殺しその後、うその証言をしたとして警官24人を殺人と偽証の罪で告発するよう求めた。

 NBIが発表した今回の調査結果で、ドゥテルテ大統領が掲げる「麻薬撲滅戦争」の一環として警察官が超法規的な処刑を行っているとの懸念が一層深まっている。(c)AFP/Mynardo MACARAIG