【12月2日 AFP】英サッカーのユースチームで、コーチによる選手への性的虐待が横行していたとされる問題で、全国警察署長委員会(NPCC)は1日、これまでに約350人が過去に被害を受けたと名乗り出たと発表した。

 同問題の規模が明るみに出たのは先週、元選手のアンディ・ウッドワード(Andy Woodward)氏、スティーブ・ウォルターズ(Steve Walters)氏、ポール・スチュワート(Paul Stewart)氏が、ユース時代にコーチから受けた虐待について告白したことがきっかけだった。NPCCによると以来、警察に対し「相当な」数の電話が寄せられたという。

 英BBC放送は、NPCCが発表した人数には、既に行われている捜査に加え、慈善団体の全国児童虐待防止協会(NSPCC)が新設した相談電話への連絡も含まれているとしている。NSPCCによると、この直通電話には最初の1週間だけで860件の電話が寄せられた。また設置直後の3日間で、60件について警察または福祉当局に報告したという。

 検察当局によると、複数の元選手によって加害者と名指しされていたバリー・ベネル(Barry Bennell)容疑者は5件の異なる事件で捜査対象となっており、先月29日に8件の児童虐待の罪で訴追された。

 過去に児童性的虐待の罪で有罪判決を受けている同容疑者は、クルー・アレクサンドラFC(Crewe Alexandra FC)、マンチェスター・シティ(Manchester City)、ストーク・シティ(Stoke City)に指導者として所属していた際、1970年代から30年にわたって虐待を繰り返していたとみられる。(c)AFP/Tom WILLIAMS