【11月23日 AFP】ケニア女子マラソン界のスター選手、リタ・ジェプトゥー(Rita Jeptoo)のドーピングをめぐり、同選手の代理人が逮捕されていた件で、ケニアの検察は22日、起訴を取り下げる判断を裁判所に伝えた。検察は7月、「禁止薬物の違法な手段での摂取」に関わっていたとして、ジェプトゥーの代理人であるフェデリコ・ローザ(Federico Rosa)氏、そして父親のガブリエーレ(Gabriele Rosa)氏の身柄を拘束していた。

 ローザ氏は、ジェプトゥーとイライジャ・ボイト(Elijah Boit)の2人に薬物を投与していた罪で起訴されていたが、検察のメアリー・ワンゲレ(Mary Wangele)氏がこの日、ナイロビ(Nairobi)の裁判所に対して、「さらなる捜査」のために起訴を取り下げることを伝えた。

 検察側は現時点で十分な証拠が集まっていないことを認めているが、ケニアの法律では、説得力のある別の証拠が見つかった場合、ローザ氏は再逮捕される可能性がある。

 ジェプトゥーは、2014年にシカゴ・マラソン(Bank of America Chicago Marathon 2014)とボストン・マラソン(2014 Boston Marathon)を制したものの、薬物検査で赤血球を増加させる禁止薬物のエリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)が検出された。

 そのため、ジェプトゥーは2年間の出場停止処分を受けていたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は10月、ジェプトゥーが薬物の使用をマネジャーやコーチにも隠していたとして、処分期間を2倍の4年に延長する判決を下した。これによりジェプトゥーは、キャリアの危機に陥っている。

 ローザ氏はイタリアで「ローザ&アソシアティ(Rosa & Associati)」というスポーツ・マネジメント会社を運営し、1500メートルの五輪金メダリストにして、世界選手権3連覇のアスベル・キプロプ(Asbel Kiprop)、800メートルの世界選手権銅メダリストであるユニス・サム(Eunice Sum)、ロンドン・マラソン(London Marathon)女王のジェミマ・スムゴング(Jemima Sumgong)ら、リオデジャネイロ五輪にも出場したケニアやアフリカの一流選手を所属させている。(c)AFP