【11月19日 AFP】ベトナムが南シナ海(South China Sea)の南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島、Spratly Islands)で実効支配する島で滑走路を延伸していることが、最新の画像の分析から明らかになった。同諸島に対する領有権を主張している中国の反発を招く可能性がある。

 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が運営するウェブサイト「アジア海洋透明性イニシアチブ(AMTI)」は報告書の中で、11月上旬に衛星から撮影されたとみられる画像を基に、ベトナムが同諸島のスプラトリー島(Spratly Island)にある滑走路を以前の760メートル弱から約1000メートルまで延ばしたと指摘。最終的に1200メートル強まで延伸する可能性が高いとの見方も示している。

 報告書によるとベトナムはさらに、海上偵察機や輸送機を収容できる大型の格納庫2棟も建設している。

 南シナ海をめぐっては、中国が大半に対して領有権を主張。岩礁の埋め立てや大型軍用機の離着陸が可能な滑走路の建設を進め、ベトナムやフィリピンをはじめとする関係国の反発を引き起こしている。

 ベトナムと中国はこれまで、南シナ海で領有権を争う諸島や水域をめぐって外交上で応酬を繰り返してきた。ここ数か月はやや緊張が和らいでいるものの、この問題は依然として両国間の対立の火種としてくすぶっている。(c)AFP