【11月15日 AFP】アルゼンチン当局は14日、ビーバーによって巨木がかじり倒され、南部の森林地帯に壊滅的な被害が広がっていることを受け、ビーバー10万匹を駆除するとの方針を明らかにした。

 ビーバーによる被害に見舞われているのは、南端部に位置し「世界の果て」として知られるティエラデルフエゴ(Tierra del Fuego)州。

 地元の環境保護局の責任者エリオ・クルト(Erio Curto)氏は報道陣に対し、「ビーバーは細い木なら数時間で、太い木なら数日間で倒してしまう。私たちが問題にしているのは樹齢100~150年の木々で、(倒れたら)再び成長することはない」と説明。「ビーバーが川岸の木々を倒し、川から水があふれて氾濫を引き起こしている」と述べた。

 国連(UN)や環境保護団体も駆除には賛成しているが、州政府の専門家らの見通しによれば、ビーバーを完全に駆除するには10~15年かかるという。

 また当局によると、専門家らは罠でビーバーを捕らえ、頭部をたたいて即死させる手段を用いる予定だという。

 毛皮採取のための繁殖を目的として、1946年にカナダから数十匹のビーバーがこの地域に持ち込まれたたものの、現在は手に負えないほど数が増えている。(c)AFP