【11月15日 AFP】イタリアの首都ローマ(Rome)で、バロック芸術の巨匠ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini)が手掛けた有名な屋外彫刻「ミネルバ・オベリスク(Elephant and Obelisk)」の一部が何者かに破壊された。地元警察は犯人を特定するため、監視カメラの映像の解析を進めている。

 17世紀に制作されたこの作品はパンテオン(Pantheon)近くのミネルバ広場(Piazza della Minerva)にあり、ローマでも有数の公共彫刻。象が背中に記念碑(オベリスク)を乗せて運んでいるデザインで、象の左の牙の先が折られた。破壊は夜間に行われたとみられている。

 象の彫刻は、当時のローマ法王アレクサンデル7世(Alexander VII)が、発掘されたばかりの古代エジプトのオベリスクの台座として発注。ベルニーニが制作を監督した。

 ローマでは2015年2月にも、暴徒化したオランダのサッカーチーム、フェイエノールト(Feyenoord)のサポーターがスペイン階段(Spanish Steps)にあるベルニーニ作の噴水を壊す事件が起きている。(c)AFP