【11月8日 AFP】国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」が主催する世界で最も権威ある報道賞の一つ「RSF-TV5モンド(RSF-TV5 Monde)」の受賞者が7日発表され、5年にわたるシリア内戦を危険な戦地から伝え続けたシリア人フリージャーナリストのハディ・アブドラ(Hadi Abdullah)氏(29)がジャーナリスト部門で受賞した。シリアからは昨年も受賞者が出ている。

 同団体によると、アブドラ氏は今年1月にイスラム過激派組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」(シリア征服戦線、Jabhat Fateh al-Shamに改名)により短期間拘束されるなど、「これまでに何度も死を覚悟した」ことがあるという。滞在場所近くで爆発が起きた時には同行していたカメラマンが死亡し、アブドラ氏も重傷を負った。

 この他、メディア部門では中国のウェブサイト「六四天網(64 Tianwang)」が受賞。同サイトでは、市民記者らが「非常に大きな危険を冒しながら市民らに情報を伝達」しており、「中国当局による組織的な弾圧」の対象となっているという

 市民記者部門では、「中国全土の市民によるストライキや抗議デモを報じた」ことで今年6月に身柄を拘束された、中国人の盧昱宇(Lu Yuyu)氏と友人の李婷玉(Li Tingyu)氏が受賞した。

 世界180か国を対象とした言論の自由に関するRSFのランキングでは、中国は176位、シリアは177位となっている。

 授賞式は8日、世界民主主義フォーラム(World Forum for Democracy)の開催に合わせて仏ストラスブール(Strasbourg)で行われる。(c)AFP