■民主党、黒人層に強力なてこ入れ

 一方、黒人層に関しては、2週間前の期日前投票開始時点での投票率は低かった。スミス教授は先週の時点で、12年にバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が再選された際の黒人有権者の期日前投票率が26%だったのに対し、今回は約14%であるなど、盛り上がりに欠けた選挙戦になっていると指摘していた。

 しかし、オバマ大統領がクリントン氏を支持するよう黒人有権者に訴えたり、クリントン氏の支援コンサートに歌手のビヨンセ(Beyonce)とジェイ・Z(Jay Z)夫妻が登場したりしたことが功を奏し、この数日間で黒人層の期日前投票率が爆発的に急増。

 フロリダ州では7日の時点ですでに83万5000人の黒人有権者が期日前投票を行い、12年の76万4000人を上回っている。

 期日前投票最終日となった6日の日曜日、同州各地では投票促進イベント「ソウル・トゥー・ザ・ポール(Souls to the Polls)」(魂から投票へ、の意)が行われた。バス運転手やごみ収集作業員など160万人の労働者が加入している労組、米国州郡市町村職員連名(AFSCME)のオーガナイザー、ナミタ・ワグレイ(Namita Waghray)氏は、12年の大統領選の際を振り返りながら、宗教と政治が融合したこのイベントは労働者階級を投票に引きつける重要な機会だと語った。「アフリカ系米国人社会では、これこそ人々が投票する時。私たちが教会やその信徒と協力するのは、彼らが自分たちのコミュニティーの中でそういう信念を持っているからだ」(c)AFP/Kerry SHERIDAN