【11月7日 AFP】地球温暖化対策の新たな国際的枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」について、かつて「狂っている」と発言したことのあるフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が態度を一変させ、7日、同協定を批准すると発表した。

 ドゥテルテ大統領はパリ協定に調印することを決断したと発表する中で、自分自身は今も協定について疑念を抱いているが、閣僚らから圧倒的な反対を受けたと語った。大統領は報道陣に「たくさんの議論を行った後、私は(協定に)調印することにした。(内閣の中で)1人か2人を除き、意見が全員一致していたからだ」と述べた。

 ドゥテルテ氏は今年6月30日に大統領に就任すると、ベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)前政権が実施してきた政策を批判してきた。

 また、7月の集会では、富裕国は過去に大量の化石燃料を使用しておきながら、協定によって発展途上国の工業化が阻まれると述べ、「尊重すべき協定などない。わが国はまだ調印していない。彼ら(富裕国)はあちら側にいて、我々(途上国)はまだこちら側にいるのに、われわれが同等になることを許されないのだとしたら、そんなのは狂っている」と述べた。しかしパリ協定は、発展途上国が化石燃料の使用を続けることを認めている。

 閣僚や周辺の議員、またドゥテルテ氏の盟友として知られるフィデル・ラモス(Fidel Ramos)元大統領らは、ドゥテルテ氏の一連の発言を受け、フィリピンの気候変動対策の将来について、大統領に教育を試みると語っていた。(c)AFP