【11月1日 AFP】フィンランド当局は先月31日、違法狩猟を防ぐためとして、環境活動家が強く反対するにもかかわらず、保護対象となっているハイイロオオカミの駆除を続行すると表明した。

 フィンランドでは、2015年~2016年の狩猟シーズン中、ハイイロオオカミ290頭のうち55頭が駆除されており、同国の農林・環境省(Ministry of Agriculture and Forestry)は今後も継続して間引きを実施する必要があるとしている。

 同省は声明で「ハイイロオオカミの生息域で暮らす地元住民のオオカミに対する受容度を高めることを目的にしている。また違法狩猟を防ぐ狙いもある」と述べている。

 だが一方で、冬の間に駆除された55頭に加え、交通事故や違法狩猟、住民を保護するために警官に射殺されたといった理由で23頭が死んだという。

 農林・環境省の顧問を務めるサミ・ニエミ(Sami Niemi)氏は、駆除以外の理由で死んだオオカミが多いことに当局が驚いていることを認めた上で、間引きを続行する前に制度の修正を行っていることを明らかにした。

 同氏は過剰な間引きを防ぐために、死因のいかんにかかわらず、死んでしまうオオカミの数に毎年上限を設けるつもりだと述べている。

 環境活動家は欧州連合(EU)の法律で厳格に保護されている動物を駆除しているとしてフィンランドを激しく批判している。(c)AFP