【11月1日 AFP】ロシア極北ノリリスク(Norilsk)市周辺を流れる川が真っ赤に変色した問題で、金属大手ノリリスク・ニッケル(Norilsk Nickel)は10月31日、自社工場からの漏出物質が変色の原因だったとして少額の罰金を科されたことを認めた。

 ロシア天然資源環境省は今年9月、人口17万人の同市付近を流れるダルディカン(Daldykan)川の水が真っ赤に染まった写真が出回ったこと受け、調査を開始。ノリリスク・ニッケルの声明によると、同社は「行政処分命令」を受け、「ダルディカン川に汚染物質を流出させた影響」に対して罰金が科されたという。

 同社広報は、ロシア国内では水質保護規制に違反した企業には3万~4万ルーブル(約5万~6万6000円)の罰金が科されると述べたが、今回の罰金の具体的な金額については言及を拒んだ。

 ニッケルとパラジウム生産の世界最大手であるノリリスク・ニッケルは、今年上半期の純利益が13億ドル(約1300億円)と報じられている。

 ノリリスク・ニッケルは当初自社工場からの汚染物質漏出を否定していたが、その後、今年9月初旬に降った大雨で同工場の「ろ過池」の水があふれ、ダルディカン川に流れ出ていたことを認めた。

 ダルディカン川は地元住民が魚釣りを行う湖に流れ込んでいるが、先住民活動家らによると当時、住民たちに対して汚染を警告する情報は発表されていなかったという。(c)AFP