【10月27日 AFP】女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)は26日、現在開催中のWTAツアー選手権(BNP Paribas WTA Finals Singapore 2016)に滑り込みによる出場があったことを受けて、そうした状況を避けるためにツアースケジュールを見直す方針を明らかにした。

 サイモンCEOは、「ツアーファイナル前には1週間の準備期間が設けられるべきである。また、同大会はシーズン最後の大会でもあるべきだ」としたうえで、運営側はスケジュールに関して「明らかに問題を抱えている」と口にした。

 今週、シンガポールで行われている同大会は、世界ランキング上位8選手に出場が制限されている一方、同9位から19位の選手に加えてワイルドカードを獲得した選手は、来週から中国・珠海(Zhuhai)で開かれるWTAエリート・トロフィー(Huajin Securities WTA Elite Trophy Zhuhai 2016)に出場することになる。

 今年のツアーファイナルでは、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が肩の故障により欠場したことで出場枠に空きが生まれ、ラインアップにも影響が出ていた。

 その結果、同大会直前のクレムリン・カップ(Kremlin Cup 2016)を制したスベトラナ・クズネツォワ(Svetlana Kuznetsova、ロシア)が土壇場でジョアンナ・コンタ(Johanna Konta、英国)を逆転し、最後の一枠を獲得していた。一方のコンタはけがを理由に先週の大会を欠場し、シンガポールに早めに乗り込んで準備を整えていたが、結局大会でプレーすることはないまま荷をまとめることになっていた。

 こうした事態を受け、サイモンCEOは報道陣に対して、ツアーファイナルとエリート・トロフィーの開催時期を入れ替えることを一つの選択肢として提案している。

「理論上では簡単な交換に見えるが、いうまでもなく選手の流れやビジネス面の問題、契約など多くの要素が関係している」

 また、シンガポールとの契約が満了する2018年以降も同国で大会を開催するかと聞かれたサイモンCEOは、運営サイドは同国政府と議論をしているとしたうえで、「私は、大会やその伝統を真の意味で築くことができるように、ツアーファイナルが固定された開催地を見つけることができるよう望んでいる」と語った。

「これについては、より多くの対話を行いたいし、どうなるか見守ろうと思う」

(c)AFP