【10月26日 AFP】(写真追加)フランス北部の港町カレー(Calais)で25日、巨大な移民キャンプ、通称「ジャングル(Jungle)」の当局による撤去作業が2日目を迎え、移民らが残した小屋やテントの解体作業が始まった。

 ヘルメットとオレンジ色のつなぎを身に着けた作業員らは機動隊の警備の下、チェーンソーで小屋を解体。山と積まれた木材やプラスチックは重機で撤去され、移民らが残したマットレスや毛布、服、食器、スーツケースなども運び出された。

 同キャンプにはアフガニスタンやスーダン、エリトリア出身者らを中心に、6000~8000人の移民が暮らしてきた。

 仏内務省によると、24日の撤去開始からこれまでに成人3182人が国内各地の受け入れセンターへ移送された。同伴者のいない未成年者772人については、キャンプ内に一時的な避難場所として設けられたコンテナハウスに収容されたという。

 一方で25日夜には、幾つかの小屋から火の手が上がり、消防車が出動する騒ぎも発生。ジャングル解体に反発する移民らが放火したとみられている。

 カレーの警察当局はこの1年ほど、毎晩のように英国行きのトラックによじ登ろうとする移民らの取り締まりに当たってきた。ナターシャ・ブシャール(Natacha Bouchart)カレー市長は、キャンプを後にする移民らの列を目にして「非常に安堵(あんど)している」と述べた。

 しかし地元住民の多くは、ジャングルが解体された跡地にまた新たなキャンプができるのではないかという懸念を抱いている。(c)AFP/David COURBET Serene ASSIR