【10月25日 AFP】(更新、写真追加)パキスタン南西部バルチスタン(Balochistan)州の州都クエッタ(Quetta)郊外で24日夜、武装勢力が警察学校を襲撃し、州の発表によると少なくとも60人が死亡、118人が負傷した。当局はイスラム過激派組織「ラシュカレ・ジャングビ(Lashkar-e-Jhangvi)」の一派の犯行との見方を示している。

 現場はクエッタから東に20キロほど離れた場所にある警察学校。訓練生約700人が生活する寄宿舎が狙われた。24日午後11時10分(日本時間25日午前3時10分)ごろ襲撃が始まり、数時間にわたって銃声が鳴り響いた。

 治安部隊が鎮圧作戦を実施し、25日未明までに事態を収束させた。バルチスタン州の内務相は25日早朝、現場に集まった報道陣に対し、自爆ベストを着用した過激派3人が広大な敷地に広がるこの警察学校を襲ったと述べた。当初、襲撃犯は5~6人とみられていた。

 同州知事の報道官はAFPの取材に、60人が死亡、118人が負傷したと明らかにした。負傷者の大半は軽傷だという。

 鎮圧を主導したパキスタンの準軍事組織「辺境州防衛部隊(Frontier Corps)」のバルチスタン州司令官は、部隊が到着してから約3時間で襲撃は終わったと説明。傍受した通信から襲撃犯はイスラム教スンニ派の過激派組織ラシュカレ・ジャングビの一派アル・アリーミ(Al-Alimi)の構成員であることが分かったと述べた。ラシュカレ・ジャングビはイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」と連携している。

 今年に入り発生したイスラム過激派による襲撃としては最も多い犠牲者を出す事件の一つとなった。(c)AFP/Maaz Khan