【10月23日 AFP】イラク議会は22日、アルコールの生産、販売、輸入を禁止する条項を含む法案の採決を行った。この採決は少数派の一部を憤らせる一方、影響力のある宗教政党を喜ばせた。

 アルコール禁止の是非をめぐり、支持派は、イスラムの教えに反する一切の法を禁じる憲法の条項によって正当化されると主張。一方、反対派の一部は、同じ憲法の宗教的少数派の慣習を保障する条項に違反していると主張する。

 議員と議会関係者によると、アルコール禁止条項は地方自治体関連の法案に土壇場になって追加されたもので、アルコール禁止への反対派にとっては不意打ちだったという。

 同法は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」からのモスル(Mosul)奪還作戦が行われている北部に国民の目がくぎ付けになっているタイミングで議会を通過した。

 イラクの飲食店やホテルでアルコールが提供されることはめったにない。しかしアルコールの消費は比較的広く行われており、特に首都バグダッド(Baghdad)では数多くの小規模な酒類小売店を見かける。

 イラクにはビールの「ファリダ(Farida)」やアラック(アニス風味の蒸留酒)の「アスリヤ(Asriya)」などさまざまな種類のアルコールの製造業者も存在する。(c)AFP