【10月7日 AFP】フランスのフランソワ・ミッテラン(Francois Mitterrand)元大統領が、33年間関係が続いた愛人との間に娘をもうけたことは前から良く知られているが、2人の間の恋の情熱が初めて明かされる。

「わが身の終わるまで、あなたを愛する」などとミッテラン元大統領が愛人のアンヌ・パンジョ(Anne Pingeot)さんに書き送ったラブレター1200通以上をまとめた書籍が、13日に出版されることになった。手紙には「自分でも知らなかった感情が、あなたによって呼び起こされた」とつづられている。

 この関係は、大統領在任中(1981~95年)のミッテラン氏を取材した報道関係者には公然の秘密だったが、公人の私生活を尊重するというフランスの厳格な不文律により一般の人の目からは隠されていた。

 結果として国民は、国家元首であると同時に30歳近く若い女性との恋に狂った男というミッテラン氏の二重生活に気付かないままだった。

「アンヌへの手紙、1962年―1995年」と題されたこの書簡集は20年以上を経て陽の目を見ることになった。ミッテラン元大統領の死後20年、またダニエル(Danielle Mitterrand)夫人の死後5年がたっている。2人の間にはジャンクリストフ(Jean-Christophe Mitterrand)とジルベール(Gilbert Mitterrand)という2人の息子がいる。

 パンジョさん自らが出版のために書き写した書簡は、そのエロチシズムだけでなく、文学性の高さという点でも驚かされるものとなっている。(c)AFP/Alain JEAN-ROBERT and Gina DOGGETT