【9月30日 AFP】米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が、カリフォルニア(California)州で経営するゴルフクラブの幹部らに対し、容姿端麗でない女性従業員を解雇するよう提案していたことが分かった。地元紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)が29日、裁判記録を引用する形で報じた。

 同紙は、同州ランチョパロスバーデス(Rancho Palos Verdes)にあるトランプ・ナショナル・ゴルフクラブ(Trump National Golf Club)で休憩が認められなかったとして従業員らが起こした訴訟の裁判記録の内容を報道。

 それによると、同クラブのスタッフは、トランプ氏が魅力的な案内係を繰り返し要求するため、同氏がクラブを訪れる日には必ず「若く細身で美しい女性ら」を勤務させていたという。

 また、2008年まで働いていたという女性は、「ドナルド・トランプ氏がクラブを訪れた際、レストランの案内係は『美しさが足りない』から解雇してもっときれいな女性と入れ替えるべきだとマネジャーらに何度も言うのを聞いた」と証言している。

 トランプ氏はこの他にも、同クラブの女性従業員らに向かって不適切で横柄な発言をし、容姿が原因で辞めたり解雇されたりした人も多いと、複数の従業員が証言していた。

 レストランの元マネジャーの話では、トランプ氏はある時、「若くてきれいな案内係」の女性を見かけたため、自身が男性らと会議を開いていたエリアに連れてくるよう指示したという。また別の女性スタッフは、トランプ氏に既婚かどうか尋ねられ、その後も頻繁に「結婚生活に満足しているか」と聞かれたと証言している。

 トランプ氏の弁護士は、同クラブで従業員に対する差別行為があったことを否定している。

 過去に女性を「豚」、「でぶ」、「犬」などと呼んできたトランプ氏は、選挙戦で女性有権者からの支持を取り付けるのに苦心している。つい最近も、ミス・ユニバース(Miss Universe)優勝後に体重が増加したアリシア・マチャド(Alicia Machado)さんを「ミス子豚」と呼んだとの訴えが表面化し、物議を醸したばかりだった。(c)AFP