【9月28日 AFP】環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は27日、ロシアのシベリア(Siberia)地方で森林火災が広がり、これまでに200万ヘクタールもの森林が延焼したと発表した。地球温暖化による「異常な干ばつ」が背景にあるとの見解を示している。

 ロシア連邦森林局は森林火災が起きていることを認める一方、被害面積はグリーンピースの発表よりはるかに少ない12万5000ヘクタールとしている。

 グリーンピース・ロシア(Greenpeace Russia)の広報担当者アレクセイ・ヤロシェンコ(Alexey Yaroshenko)氏はAFPの取材に対し、状況は「シベリアとしては前例がないほど破滅的だ」と指摘。被害が拡大している原因には「当局の無能ぶり」もあるが、とりわけ地球温暖化の影響が大きいとの見方を示した。

 火災は今月22日、シベリア中部の都市クラスノヤルスク(Krasnoyarsk)とバイカル湖(Lake Baikal)近くのイルクーツク(Irkutsk)の周辺で最も激しくなった。この地域には500万人近くが住み、一部の学校は火災の影響で休校に追い込まれた。一帯は濃い煙に覆われたという。

 ヤロシェンコ氏によると、その後、待望の雨が降ったおかげで延焼面積は縮小したが、27日の時点でも約90万ヘクタールが燃えているという。

 ロシアのウラジーミル・プチコフ(Vladimir Puchkov)非常事態相は25日、住民を保護するための追加措置を指示。ただ被災地について「正確な評価をするのは不可能」とも述べた。

 ロシアでは毎夏、東部のシベリア地方を中心に火災で広大な地域が焼けており、予算不足の政府機関はその抑制に苦慮している。(c)AFP