【9月26日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)の若手女性議員が、男性議員から下品で軽蔑的な言葉を浴びせられたと公表し、騒動となっている。CDUのペーター・タウバー(Peter Tauber)幹事長は25日、党上層部で性差別が問題化していることを認めた。

 タウバー幹事長は独紙ビルト日曜版(Bild am Sonntag)に対し、今回性差別を訴えたベルリン市議会議員のイェナ・ベーレンツ(Jenna Behrends)氏(26)以外にも、同様の報告が相次いでいることを明らかにし、「社会のあらゆる領域において、新たな気配りが必要だ。なぜなら、性差別は政界だけの問題ではないからだ」と述べた。

 ベーレンツ氏は先週、ベルリン市議会のCDU議員が同氏に対し、妻や恋人など親しい女性に対する愛称である「かわいいネズミちゃん」という呼び方を大勢の前で使ったことを公表するとともに、性差別だと批判し、独国内で大きく報じられた。ベーレンツ氏によればこの議員はさらに、別のCDU議員に向かってベーレンツ氏と性的な関係を持ったかとひわいな言葉で尋ねたという。

 CDUの党首は、2000年に旧東ドイツ出身のプロテスタントで子どもを持たないメルケル首相が就任するまで、代々、旧西ドイツのカトリック教徒の家庭出身の男性が務めていた。慣習を打ち破り2005年から政権を担うメルケル首相は25日、独ビジネス誌とのインタビューで、ドイツの産業界は男女不平等を根絶できていないと批判した。(c)AFP