【9月26日 AFP】米大リーグ(MLB)のマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)は25日、ホセ・フェルナンデス(Jose Fernandez)投手が同日発生したボート事故により死去したと発表した。

 球団は声明で、「マイアミ・マーリンズ球団は、ホセ・フェルナンデスの悲劇的な死に大きく落胆しています。ご遺族の方にはお悔やみを申し上げます」と発表した。

 24歳のフェルナンデスは大リーグで人気急上昇中の右腕で、米国でプロ野球選手になるという夢をかなえるために亡命を試み、母国キューバで刑務所に入れられたこともある。

 沿岸警備隊は、25日午前3時30分(日本時間同日午後4時30分)ごろに転覆したボートを発見。当局によると、32フィート(約10メートル)のボートが突き出した岩に激しく衝突した事故で、フェルナンデスの他2人も命を落とした。フェルナンデスら3人を乗せたボートは高速で岩に衝突しており、発表によればフェルナンデスは溺れておらず、事故の衝撃により命を失ったという。

 フェルナンデスは先週、インスタグラム(Instagram)で自身のガールフレンドが妊娠したと発表していた。

 この日行われる予定となっていたマーリンズとアトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)の試合は中止となった。当初フェルナンデスは25日に先発登板する予定となっていたが、マーリンズは26日から始まるニューヨーク・メッツ(New York Mets)との初戦にフェルナンデスの登板日をずらしていた。

 今季は16勝8敗、防御率2.86と自身最高の成績を残しており、253三振を奪って球団新記録も樹立。奪三振率12.49個は今シーズンの大リーグではトップだった。最後の登板となった20日のワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)戦では、今季最長となる8回を投げて12三振を奪い相手打線を沈黙させるなど、キャリア最高の一つに数えられる投球を見せていた。

 15歳のころ、数度試みた末に亡命を成功させて米フロリダ(Florida)にたどり着いたフェルナンデスは、20歳でマーリンズに入団すると、2013年にはナ・リーグの新人王に選出。翌年5月にはトミー・ジョン(Tommy John)手術を受けたものの、2015年7月に戦列復帰。同年には米国の市民権を獲得した。フェルナンデスは周囲に影響を与えるような熱狂さでチームメートやファン、そして他チームの選手からも人気を博した。

 大リーグ機構のロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは、「全野球界が、マイアミ・マーリンズのホセ・フェルナンデス投手の突然の死にショックを受け、悲しんでいる。2013年のデビュー以降、彼はフィールドの内外で劇的な影響を及ぼす、素晴らしい若手のスター選手だった。ご遺族の方、マイアミ・マーリンズ球団、そして関係者の方々にお悔やみを申し上げます」とコメントしている。(c)AFP