【9月23日 AFP】イスラエル警察は22日、南部ネゲブ(Negev)砂漠にある遊牧民ベドウィンの村で、鎖につながれて放置された男性が見つかったと発表した。イスラエル南部では2日前にも、裸で壁に鎖でつながれた遊牧民男性が保護されたばかり。

 今回、鎖につながれた男性が発見されたのはネゲブ砂漠の村フラ(Hura)。イスラエル公共ラジオの記者が村を訪れた際にこの男性に会い、精神疾患のために小屋の中で1年間、足かせをはめられつながれっぱなしだとの話を聞いた。男性は34歳だと語ったという。

 警察は、この一件の捜査の一環で男性の兄の身柄を拘束して事情を聴いていると発表した。AFPの取材に対しては、警察に通報があり、鉄柵に鎖でつながれた男性が発見されたとのみ説明した。

 イスラエル公共ラジオは男性の親族らの話として、この男性は精神疾患の治療で入退院を繰り返し、女性の前で服を脱ぐ癖があるにもかかわらず退院してきたと伝えている。このような行為は保守的なベドウィン社会では一族の恥とみなされることから、鎖でつないでおかなければ一族の名誉を守るため殺害される恐れがあったと、親族らは話しているという。

 同ラジオによると、男性はその後の検診で通常生活は可能との診断を受け、帰宅したという。

 ネゲブ砂漠では20日に別の村で、警察が建物の壁に裸でつながれたベドウィン男性(43)を発見。この男性は15年ほどつながれた状態だったと話しており、警察の初動捜査で、男性の家族が精神疾患を理由に鎖でつないでいたことが分かっている。(c)AFP