【9月15日 AFP】元プロサッカー選手のパオロ・ディ・カニオ(Paolo Di Canio)氏は14日、イタリアの独裁者ベニト・ムソリーニ(Benito Mussolini)を想起させるタトゥーによりソーシャルメディア上で抗議の声が巻き起こったことを受け、伊スカイ・スポーツ(Sky Sport Italia)の番組から解任された。

 イングランド・プレミアリーグのサンダーランド(Sunderland AFC)の元監督であるディ・カニオ氏は11日、同局が放送するプレミアリーグの中継番組に出演した際、着用していた半袖シャツの下から、自身の右腕に入れた「DUX(ドゥーチェ、ムソリーニが使用した称号で、指導者、統領などの意)」の文字のタトゥーがあらわになり、物議を醸していた。

 伊スカイ・スポーツの副社長は、「われわれは過ちを犯した。今回の件で傷つくことになった人々には、申し訳なく思う」と語った。

「ディ・カニオ氏と詳細を話した後、彼のプロ意識やフットボールに関する専門知識とは関係なく、われわれは契約を中止することを決定した」

 ムソリーニは憲法にのっとって首相になったのち、1925年から1943年にわたっては統領として独裁政治を行った。

 イタリア・ローマ(Rome)で生まれた48歳のディ・カニオ氏は、現役時代にセリエAのラツィオ(SS Lazio)、ユベントス(Juventus)、ナポリ(SSC Napoli)、ACミラン(AC Milan)などを渡り歩いた。

 その後セルティック(Celtic)に移籍し、シェフィールド・ウェンズデイ(Sheffield Wednesday)やウェストハム(West Ham)、チャールトン・アスレチック(Charlton Athletic)などでもプレーした。

 母国イタリアに戻って現役を引退した後は、イングランド・フットボールリーグ1(3部)のスウィンドン・タウン(Swindon Town FC)の監督に就任。在任中には、FWレオン・クラーク(Leon Clarke)とタッチライン上で喧嘩(けんか)になったこともあった。2013年にはサンダーランドの監督に就任したが、わずか半年で解任されていた。(c)AFP