【9月13日 AFP】スペイン警察は12日、同国で保護対象とされているヒグマの死骸を観光客らが発見したことを受け、捜査を開始した。ヒグマの胸には1か所、銃弾の痕があった。

 地元警察の報道官によると、観光客らが体重105キロ前後の雄のヒグマの死骸を発見したのは9日、スペイン北部アストゥリアス(Asturias)自治州のムニエジョス自然保護区(Muniellos Nature Reserve)の入り口付近だという。

 欧州西部の一部地域では、生息数を維持するためにヒグマを野生に放す試みが行われた。自然環境保護団体の「ヒグマ財団(Fundacion Oso Pardo)」によれば、スペインには現在、森林地帯があるアストゥリアスや、フランスと国境を接するピレネー山脈(Pyrenees)を中心におよそ280頭のヒグマが生息している。

 しかし、雄のヒグマの体重は350キロ、雌は200キロ、立ち上がると身長は2メートルにもなり、人間には手に余る存在だ。ヒグマは雑食性で、ベリー類や木の実以外にヒツジや子牛を食べることもあり、ここ数年は、家畜を襲う事例が発生し、地元民との間であつれきを生んでいる。(c)AFP