【9月12日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)、男子シングルス決勝でスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)に7-6(7-1)、4-6、5-7、3-6で敗れたバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は11日、試合に敗れた原因は「平常心」を失ったからだと振り返った。

 今大会で自身13度目の四大大会(グランドスラム)優勝を目指してきた29歳のジョコビッチだったが、21回目のグランドスラム決勝の舞台で9回目となる敗戦を喫した。4時間近くに及んだこの日の決勝では、17本迎えたブレークポイントのチャンスをわずか3回しか生かすことができなかった。

 2011年、2015年大会の覇者は試合後、「重要な場面で平常心を失った。彼(ワウリンカ)は冷静さを保っていた。それこそが、試合を決めた理由だと思う。経験があったり、自分が何をすべきか分かっていたりしたとしても、こういったことは起きると思う」と語った。

「この日の試合中でも、一瞬の興奮や、試合の重要性が自分に重くのしかかる瞬間があった。とにかく落ち着きを失えば、試合は逃げて行ってしまう」

 また世界ランキング1位のジョコビッチは、右手首の深刻なけがの影響で今季3個目となるグランドスラムのタイトルが懸かった今大会を欠場する寸前だったと明かした。大会期間は2週間にわたってフィジカル面で悩まされ、右肩のけがは最終的につま先の問題にとってかわり、自身3回目の全米オープン優勝を逃した。

 今季のグランドスラムでは、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)と初のタイトル獲得となった全仏オープンテニス(French Open 2016)で優勝を飾ったジョコビッチは、「大会前は、他のけがも深刻な状態だった。正直、大会に来られるかどうかも分からなかった」と認めた。

 この試合の第4セットではそれぞれ1-3、2-5とリードされていた局面で、足の治療のためにメディカルタイムアウトが許可されたことが議論を呼び、サーブを打つ直前だったワウリンカもジョコビッチにトレーナーとドクターを呼ぶことが認められたことに対して怒りを見せていた。

 コートサイドで治療を受けていた際に、痛みに耐えられないとしてワウリンカに謝罪していたジョコビッチは試合後、「爪がめくれて出血していた。動くにはかなり痛かった」と説明した。(c)AFP/Dave JAMES