【9月9日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)、男子シングルス準々決勝で錦織圭(Kei Nishikori)が世界ランキング2位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)を1-6、6-4、4-6、6-1、7-5の激闘の末に制し、2014年の全米で準優勝して以来となる四大大会(グランドスラム)準決勝進出を果たした。

 通算9回目となった7日の試合で、2012年大会覇者のマレーから2勝目となる見事な逆転劇を演じた錦織の次なる対戦相手は、スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)に決まった。通算成績では2勝3敗と負け越しているが、直近の対戦となった7月のロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2016)では錦織が白星を挙げている。また2年前の全米準々決勝で顔を合わせた際も、錦織が勝利をおさめている。

 準決勝で戦うワウリンカについて、「トロント(Toronto)で試合したばかり。彼は最近良いテニスをしている」と話す錦織は、もし今大会で優勝すると、アジア人選手として初のグランドスラムシングルス優勝者になるだけでなく、賞金350万ドル(約3億6000万円)を獲得することになる。

 準々決勝の結果次第では、準決勝で対戦する可能性のあったファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)は、これまで一度もセットを奪ったことがないなど、通算成績で0勝4敗と苦手としていた相手だっただけに、錦織にとってはうれしい組み合わせとなったかもしれない。

 一方、ワウリンカの準決勝までの道のりは、浮き沈みのあるものだった。今大会は準決勝進出までにトップ45の選手との対戦がなかったが、3回戦ではダニエル・エヴァンス(Daniel Evans、英国)にマッチポイントを握られる接戦を強いられていた。

「ケイとの試合は面白くなる」と話すワウリンカだが、23回目のグランドスラム挑戦となった2010年の全米で自身初めて準々決勝に進出をするなど、ツアーでは遅咲きの選手だ。

「マレーとの試合を見たが、彼はとても良いプレーをしていた。タフな試合になることは間違いないだろう。あとは私が体力的にどう感じるかだが、ケイとの試合には準備できている」

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