【9月7日 AFP】昨年3月、オーストラリア・シドニー(Sydney)発マレーシア行きのエアアジアX(AirAsia X)の旅客機が豪メルボルン(Melbourne)に着陸するというトラブルがあったが、原因はパイロットが航空機の位置の経度を誤入力したことだった。運輸安全当局が7日、明らかにした。

 エアアジアXのエアバス(Airbus)A330-300型機は昨年3月10日、マレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)に向けてシドニーを離陸した。だが航空機は誤った針路を取り始め、管制官が警戒態勢を敷いた。

 豪運輸安全局(ATSB)が発表した調査結果によると、無線で知らせを受けた乗員は修正を試みたものの「ナビゲーションシステムの状態はさらに悪化し、フライトガイダンスとフライトコントロールシステムも悪化した」という。

 A330型機を当時までで18か月間操縦していたパイロットは、シドニーに戻ることを決断したが、悪天候のためメルボルンへ手動操縦で飛行せざるを得なかった。航空機はメルボルンに安全に着陸したという。

 ATSBは「航空機の飛行管理誘導システムを設定する際、機長が航空機の経度位置を誤入力した」とし、「これにより、航空機のナビゲーションシステムが悪影響を受けた。エラーを特定し修正する複数の機会があったにもかかわらず航空機は離陸し、間違った針路を飛行するまでエラーは発見されなかった」と述べた。

 さらにATSBは、問題の機体には、今回のような入力の際のエラーを防いでいた可能性がある、最新の飛行管理システムが導入されていなかったことが判明したとも述べた。(c)AFP