【9月5日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が推進している犯罪撲滅作戦による死者が、大統領就任から2か月余りで2400人を超えたことが4日、警察当局の統計で明らかになった。殺害の半数以上は警察ではなく自警団が実行したとみられる。

 統計によると、ドゥテルテ大統領が6月末に就任して以来、警察当局が殺害した麻薬絡みの犯罪容疑者は1011人。このほかに「捜査中」とされる殺人が1391件あり、これらは自警団が行ったもようだ。

 ドゥテルテ大統領は、犯罪の撲滅と犯罪者の大量殺害を公約に掲げて5月の大統領選挙で大勝。以来、警察当局は麻薬犯罪の容疑者を日々何人も射殺している。一方、正体不明の武装集団に殺害された容疑者もおり、「麻薬密売人」と書かれたボール紙が添えられて死亡しているのが見つかったケースもある。

 警察当局は、警官による殺害はあくまで正当防衛の結果だとし、それ以外の殺害は麻薬犯罪組織側がメンバーの口封じのために行っているものだと主張している。(c)AFP