【9月1日 AFP】米国とキューバを結ぶ定期航空便が8月31日、五十数年ぶりに運航を再開し、第一便が米フロリダ(Florida)州を飛び立ってキューバに到着した。両国による昨年の国交回復を受けた関係改善が空にまで広がった格好だ。

 米格安航空会社(LCC)ジェットブルー航空(JetBlue)の387便が31日、乗客150人を乗せてフロリダ州南東のフォートローダーデール(Fort Lauderdale)空港を飛び立ち、午前11時(日本時間9月1日午前0時)前にキューバ中部サンタクララ(Santa Clara)の空港に着陸した。

 新規路線で最初の便の飛行を祝う航空業界の慣例に従い、到着したジェットブルー機は放水アーチによる歓迎を受けた。同機はフロリダ出発時にも放水アーチでお祝いされた。

 ジェットブルー機から最初に姿を見せた乗客2人はそれぞれ米国とキューバの国旗を手にタラップを下り、両国間の友情の印として互いの国旗を交換した。共産党一党支配のキューバを17歳の娘と共に初めて訪れた米国人のリアンヌ・スペンサーさんは「キューバへの渡航は難しかったので、ここに来られて本当にわくわくしている」と語った。

 31日のジェットブルー便を皮切りに、米国の諸都市とキューバ間で毎日110便が運航される予定。キューバ側の乗り入れ空港の多くは観光地かその近郊にある。

 米国とキューバを結ぶ定期便は冷戦(Cold War)時代の1961年に途絶え、チャーター便の往来に限られていた。

 ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官はツイッター(Twitter)で運航再開を「新たな一歩」と歓迎。ジェットブルー機にはアンソニー・フォックス(Anthony Foxx)米運輸長官も搭乗した。(c)AFP/Hector Velasco、Leila Macor